薬剤師ジョニーが製薬会社に直接確認!
こんにちは、薬剤師の「おしげ」です。
2025年4月、ついに日本でも【ゼップバウンド】という肥満症の治療薬が発売されました。
アメリカで大人気だったこの薬、痩せたい!という方には気になる存在ですよね。
でも、「太ってるから」「痩せたいから」では、どこの病院でもすぐに処方してもらえるわけではありません。
今回、製薬会社に直接電話して確認した正確な情報をもとに、
「ゼップバウンドってどんな薬?」
「どうしたら処方してもらえるの?」
という疑問を、なるべくわかりやすい言葉でまとめました。
この記事を読んでから病院に行けば、無駄足にならずに済むかもしれません!
■ゼップバウンドってどんな薬?
- 週1回、自分で注射する肥満症の治療薬
- 食欲を抑えたり、脂肪をつきにくくする効果
- アメリカでは大人気、日本では2025年4月発売
- 保険適用されるのは「肥満症」と診断された方のみ
美容目的や、ただ「痩せたい」というだけでは保険では使えません。
■ゼップバウンドを保険で処方してもらうには
保険でゼップバウンドを使うには、次の条件をクリアする必要があります。
✅【STEP1:BMIと病気のチェック】
まず、あなたのBMI(身長と体重で決まる数値)によって条件が違います。
BMI | 条件 |
---|---|
BMI35以上 | その時点で対象 |
BMI27〜34 | 条件あり(下記) |
BMIが27以上34以下の場合、次の2つの条件が必要です。
① 高血圧・脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかを持っていること
② さらに肥満に関係する健康障害が1つ以上あること
✅【肥満に関する健康障害とは】
具体的には、以下のようなものです。
- 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
- 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 または 肥満低換気症候群
- 関節の痛みや障害(変形性関節症など)
- 心臓や血管の病気
- 月経異常 など
つまり、
✅ 例えば高血圧の方なら「高血圧+健康障害1つ以上」
✅ 糖尿病の方なら「糖尿病+健康障害1つ以上」
✅ 脂質異常症の方も同様です。
合計で2つ以上の健康上の問題があることが条件です。
✅【STEP2:6ヶ月以上の食事・運動療法】
病院で医師や管理栄養士から、
「食事はこうしよう」「運動はこれくらいしよう」
といった指導を受けながら、6ヶ月以上、生活改善を続ける必要があります。
目安としては、月1回の通院。
医師によっては2ヶ月に1回でもよい場合もあります。
✅【STEP3:6ヶ月間の記録を残す】
製薬会社に確認したところ、
決まった専用のノートやフォーマットはありません。
患者さんが
- 普通のノート
- スマホのメモアプリ などに、 **「どんな食事や運動をしたか」「病院でどんな指導を受けたか」**を記録しておけばOK。
病院側も記録を残していますが、自分でもしっかり記録しておくことで、医師の判断がしやすくなります。
✅【STEP4:効果が不十分なら薬のスタート】
6ヶ月間頑張っても体重が減らない、健康状態が改善しないと医師が判断すれば、
ここでようやくゼップバウンドの処方が始まります。
■さらに大事なポイント:病院選び
ゼップバウンドは、
- 専門の医師(糖尿病や肥満治療の専門)
- 管理栄養士がいる
- 学会の認定を受けた病院・クリニック
こうした条件を満たす病院でないと処方できません。
近所のクリニックや普通の内科では対応していないことがあるので、
事前に確認することをおすすめします。
■処方までの流れまとめ
STEP | 内容 |
---|---|
① | BMIと病気をチェック(BMI27以上34以下なら病気2つ以上) |
② | 6ヶ月以上の食事・運動療法 |
③ | 記録を自分でも残す(ノート・スマホなど自由) |
④ | 効果が不十分なら処方スタート |
⑤ | 病院選びは専門医・管理栄養士・学会認定のある施設 |
■最後に
この記事の内容は、実際に製薬会社に直接電話して確認した最新の情報です。
ネットにはいろんな情報があってわかりにくいですが、
この記事を読んで、
「よし、まずは何から始めればいいか!」
がわかれば嬉しいです。
焦らず、一歩ずつ準備をしてから病院に行ってみてくださいね。