糖尿病患者さんからの相談

「運動したほうがいいのはわかっているんですが、どうしても三日坊主で続かなくて…」

「そのお気持ち、よくわかります。本当に、運動って“やらなきゃ”と思っていても、いざ続けるとなると難しいですよね。最初はやる気があっても、仕事や体調、天気なんかでつい後回しになってしまいがちになりますよね。」
薬剤師からの提案

「ウォーキングはどうですか?」

「ウォーキングですか…
以前やってみましたが続かなくて…」

「そのお気持ちよくわかります。ただ歩くだけってなかなか続けるのは難しいですよね。そこで「万歩計(歩数計)」の活用をおすすめします。歩数が数値として“見える化”されるだけで、「今日はこれだけ歩いた」という達成感が味わえると思うんです。」

「万歩計ですか…。そんなので本当に続けられるようになるんですか?」

「そう思いますよね。でも実際に、“数値で見える”っていうのは、意外と大きな力になるんです。
たとえば、今日は3,000歩、明日はちょっと頑張って4,000歩。数字が少しずつ増えていくのを見ると、『自分でもできてる』って実感が湧いてきて、自然と続けたくなるんです。
最初からたくさん歩こうとしなくても大丈夫です。むしろ、少しずつでも“積み重ねている”っていう感覚が、継続のコツなんです。」

「数字が見えるって大事なんですね。でも…どんな万歩計を選べばいいでしょうか?」

「まずはスマホ内蔵の歩数計で十分です。さらに意識を高めたい方には以下のタイプがおすすめです。」
- 腕時計型活動量計:歩数・心拍・消費カロリーが常時表示され、アプリ連携で目標設定や通知が可能。
- ポケット型万歩計:シンプル操作で装着感が少なく、気軽に持ち歩ける。
- アプリ連動型:週ごと・月ごとにグラフ化され、振り返りや通知機能を活用できる。

無理なく続けるためのコツはありますか?

はい、次のポイントを意識してみてください。
- 最初は1日3,000歩程度からスタートし、無理をしない。
- 歩数を毎日記録(紙やアプリなど)。
- 週ごとに振り返り、小さな目標を設定。
- 達成感を積み重ねる仕組みを作る。
運動習慣化は強い意志ではなく、継続しやすい環境づくりが鍵です。
薬剤師からの注意喚起

頑張りすぎは禁物です。特に膝や足首、腰に不安がある場合は、痛みを感じたらすぐに中止し、まずは安静にしてください。
- 痛みがひどいときは無理に歩き続けず、まず数日休養する。
- 痛みが軽減しない場合や悪化する場合は、かかりつけの医師や整形外科を受診しましょう。
- 痛みが治まったら、歩行時間や歩数を減らして再開し、徐々に負荷を増やす工夫を。
このように、体からのサインを大切にしながら、無理なく続けられる範囲で取り組むことが、安全かつ効果的です。
まとめ
先ほどの患者さんはそれ以来、来局のたびにウォーキングの成果を報告してくださるようになりました。報告することで、さらに運動への意識が高まっているようです。
運動を習慣にするには、「ウォーキングに加えて万歩計」を使うのがおすすめです。
「今日はこれだけ歩いた」とすぐに分かるので、達成感を感じやすく、少しずつでも続ける力になります。
ただし、痛みや体調不良があれば無理せず休息を優先し、必要に応じて医療機関を受診してください。
まずは小さな一歩を踏み出し、安全に楽しく続けてみましょう。